おいしいものに詳しいわけではないけれど、食べることはかなり好きだ。流行りの店を追いかけるよりも、そのときの気分でふらっと入った店や、何気なく選んだ一皿が当たりだったときのほうが、妙に記憶に残る。
外食するときは、事前に細かく調べることはあまりしない。写真の雰囲気や、店の前を通ったときの空気感で決めることが多い。にぎやかすぎず、静かすぎもしない店がちょうどいい。席に座って、メニューを眺めながら何を食べるか迷っている時間も、実は結構好きだったりする。
ラーメンや定食、カレーみたいな分かりやすい料理に安心感を覚える一方で、たまに入った喫茶店や小さな食堂で出てくる、少し素朴な味に心を掴まれることもある。派手さはないけれど、ちゃんと作られている感じが伝わる料理は、それだけで印象に残る。
一人で食べるご飯も好きだし、誰かと一緒に食べる時間も嫌いじゃない。ただ、一人で食べるときのほうが、味や食感に集中できる気がする。咀嚼のリズムや、湯気の立ち方、店内に流れている音楽まで、妙に細かいところが気になってくる。
食事は、ただ空腹を満たすだけのものじゃない。その日の気分や体調、過ごした時間が、そのまま味の印象に影響する。だから同じ店、同じメニューでも、また違った顔を見せてくれる。そんなところも含めて、食べることが好きなのだと思う。